購入したフィットは「オーディオレス仕様」。
すなわち、ナビやCDプレーヤはおろか、ラジオさえも付いていない状態で納車された。
と言っても、ディーラーとケンカしたわけではない。現在は車外品の流通が発達しているので、こだわりのあるユーザーは好みの製品をどうぞお好きなものを、という仕組みである。
もちろん、わたしはほんの少々こだわりがあるので、このような仕様のクルマを発注する事にした。
なぜなら、メーカー純正のナビやオーディオは、高級(すなわち非常に高価な)仕様のものを除き、サイテーの品質でしかないためである。DIYさえ出来れば、同じ機能が純正オプションの半額程度のコストで実現出来るのである。
もちろん国民車(大衆車ともいう)であるフィットもこの点について例外であるはずがなく、迷うことなく後付けを選択した。
それがこの↓写真である。一昔前まではこのような状態で新車が納車されるなどあり得なかったのであるが、これは時代の進歩(ユーザーの選択肢の増加)であると感じている。
フツーは、この状態からカーショップで取付を依頼するのであるが、前の愛車をほとんど(というか、まったく)いじらなかった(いじれなかった)ため、気軽にいじれる事もフィットを選んだ大きな理由のひとつである。
今回選択した製品は、カーナビの老舗である富士通テンの最新型HDDナビ。”ECLIPSE AVN550HD“と調達した部材たち。
この他ディーラーに依頼した部品を含め、総額約11万円である。写真右は、DIYに必須の”内装はがし”工具である。
実は、今のクルマに関しては、カーナビの取付は情報さえ収集出来れば何も難しいものではないのである。もちろん”情報の収集”には部品の調達も含んでいるのであるが、さすがは天下のベストセラーカーである。フィットのDIYに関する情報はWeb上に豊富に存在する。中でも最も有用だったのが、”いじれ! Fit“サイトである。ありがとう作者さん !!
適応する部材さえ入手出来れば半分完成したも同然である。後は少しの勇気が必要なだけ。
さて、その”勇気”とは・・・
この↑写真のように、手袋をはめて思い切り「バキバキ」という音を立てながらひっぺがすという作業が多いためである。比較的安価なフィットとはいえ、まったくの新車でこれをやるのは素人にはキツイものがあるのだ。(´д`)
センターパネル撤去後。ぶらんと垂れ下がっているのはハザードスイッチ用のケーブル。
最低限の電気の知識があれば、配線接続は想像するほど難しくはない。ここのでキモは、“本体側コネクタの22番”の車速パルス出力ピンである。現行型フィットの車両側コネクタが24ピンなのに対し、ナビ側のコネクタが20ピンしかないため、HONDA純正部品の24-20ピンコネクタを介して接続する事になる。このため、すべての信号を受け取ることが出来ないのだが、その不足した4ピンの中に”車速パルス”信号線があるのだ・・・(´д`)。で、右側の写真のように1本だけ配線加工が必要になったわけ。
最大の難関はフィルムアンテナの取り付けと配線であると気合いを入れて作業にかかったが、左の写真のようにゴムのシールドを外してピラーを手前から引きはがすといともカンタンに取り外す事が出来た。フィルムアンテナを貼り付けて電極と接続し、アンテナケーブルをダッシュ前方の内部からナビ本体まで配線する。
ダッシュ裏側に手が入りにくいのだが、その答えは中央の写真。安物の針金ハンガーをぶった切って本体側から突っ込み、ビニルテープでアンテナケーブルを先端にくくりつけて引っ張る事でスムーズに作業が出来たのであった。
というわけで、拍子抜けするくらいカンタンに終了。
説明書によると、電極接合部をフロントガラスに貼り付ける際には、10秒間押し続けていなければならない事になっているのでそのようにした。ちなみに、ここでさりげなく映っている人差し指は、K社の営業マンであるA氏のものである。わたしの作業中、ヒマそうに突っ立っていたのでちょっとだけ手伝ってもらった次第。
アンテナケーブルを固定して、ナビ本体に専用ブラケットを取り付けてダッシュボードに固定。
見事完成。総工程に要した時間は約 3時間でした。これには、最初のおそるおそるの内装はがしに要した時間や、工事途中でつまづいて情報収集に費やした小一時間も含んでいるので、次回は 1時間程度あれば出来る自信がついたぞ。(・∀・)
DIYのもうひとつの大きなメリットが、カーナビユーザーのしゃくの種であるパーキングブレーキ制限からの解放である。駐車してパーキングブレーキを引いた状態でないと出来ない操作が多くあるという、メーカー及び整備業界の過剰な自主規制によるユーザーの不利益が解消出来るわけ。アースに接続するだけですべて解決なのだ。