学習リモコンのお話

念願のAVルームを手に入れる事が出来て、隣近所に気兼ねなく映画や音楽を楽しめる至福の日々であるが、リモコンだけがどうにも不満のタネであった。
AVルームには、複数のリモコン対応機器をひとつにまとめて操作出来る学習リモコンが必須である。
ウチの簡易シアターで映画を観るには、ざっと以下の手順が必要

1.電動スクリーンを降下させる
2.プロジェクターの電源オン
3.BDレコーダの電源オン
4.AVアンプの電源オン ~ 入力切替
5.ダウンライト照明をオフ
6.BDレコーダの再生操作
これらは、動作を完了する時間の長さ順であり、毎回同じである。5種類の機器を操作するためにリモコンを 5回持ち替えなければならない。もちろん、アホらしくてやってられないので、これらの操作をボタン一つで実行させる事が出来る「プログラム機能付き学習リモコン」が必要となるわけ。

外が明るい時間帯であれば、事前に遮光カーテンを降ろすという儀式も増える。ウチは簡易お気軽シアターであるが、本格的なシアタールームであれば、電動カーテンもあったりするので、更にリモコン操作回数が増える。
「不満のタネ」とは、学習リモコンそのものは20年も前からあり、これまで10を超える学習リモコンを試してきたが、いまだに満足出来る製品が存在しないのである。
ちなみに、現在必要なリモコンは9個。夏期には扇風機も使うので10個になる。
リモコン
と、ここで気がついたのが、物心ついてから長年のSONYファンだったのに、現在の我が家にはSONY製品がひとつもないという驚愕の事実。(実際には学習リモコンが3個あるのだが・・・(@_@;)
それはさておき。
自分が理想とするリモコンの要件は次の通り

1.プログラム機能がある事
・・・ボタンのワンタッチで、複数の手順を連続実行する機能
2.主要な機能が自照ボタンである事
・・・暗い部屋で操作するのだから必須
3.ボタンの配置が合理的である事
・・・ヘタな配置では操作していてストレスがたまる
4.ボタンのサイズにメリハリがある事
・・・片手で持てて、リモコンを見ずに操作出来ねばならない

たった4つの要求しかないのだが、すべて満たす製品が残念ながら世の中に存在しない。(-_-;)
学習リモコンは、多数のメーカーから多種多様な製品が販売されているが、1.と2.だけでほとんど落第で、2つの条件を満たす唯一ともいえる製品がSONYの”RM-PL1400D“。実売1万円前後であり、学習リモコンとしては高級品である。
RM-PL1400D.jpg
5年以上も継続販売されているので、根強い需要があると思われる。なにしろ、この間SONYの他の同種製品は3回もモデルチェンジしているのである。
これしかないので、もちろん買いましたよ。発売当初から、これだと思って飛びついたが、しかし1ヶ月とたたずに嫌気がさして処分してしまった。
基本機能は素晴らしいのだが、要件の 3.と4.がまったくダメなのであった。とにかく、ボタンのサイズと配置がなっていないので、ブラインド操作が出来ない。SONY製品とは思えない、操作性を無視した最悪のデザインなのである。
その事自体は買う前から分かっていたものの、使っているうちに慣れるだろうと期待もあり、我慢して使っていたが、使う度に怒りがこみあげてストレスがたまり、放り出してしまった次第。
廃番になっているが、かつて米マランツ社にもPL1400Dと同機能の製品があり、試してみたが同じ理由で短期間で手放す運命となった。
その後も色々と、主にSONY製品の遍歴があったが、我慢しながらという状況に変わりはなかった。そしてここ1年ほどは最初の写真の「AVアンプ」用リモコンを愛用して来た。マランツ社のものであるが、希望要件の 1.と2.はOK。4.もギリギリ合格。しかし、レコーダの再生操作系ボタンの配置が独特でブラインド操作がしにくい。
IMG_0441.jpg
とはいえ、他にまともな製品がないので、これで納得するしかないなと使い続けてきた。
が、しかし、ようやく見つけたのがこれ↓ ONKYOの”RC-589M”
学習リモコン
ちょっと大きくて重いが、片手で操作出来るぎりぎりのレベルである。全ボタンが自照式であり、カーソルキー中央にあるジョイスティックの操作性が秀逸で、周囲のボタンとの押し間違いも皆無であり、非常に使い勝手が良い。
ボタン学習の操作も単純明快で、一度覚えれば後はマニュアルいらずである。
ボタン配置が理想というわけではない(※1)が、現時点で要件をすべて満たしている。もう手放せないという感じで、学習リモコン遍歴もこれで一応終了(※2)となる予定である。

(※1)理想とは、音量とCHボタンが最下部に配置される事である。
デリケートな操作を必要としないこれらのボタンが最下部にあるべきなのは、AVリモコンを使ってみればすぐ分かるはずである。しかし・・・
実に多種多様な単品リモコンが販売されているにもかかわらず、SONYのレコーダやAVアンプ製品付属リモコンのみがこの配置となっている。
肝心のSONYが、どうしてもこのボタン配置をした学習リモコンを発売してくれないのが残念でならない。
(※2)「一応終了」としたのは、ひょっとしてSONYが、PL1400Dの後継製品をこのボタン配置で発売してくれるかもしれない、というかすかな願望があるためである。
理想のリモコン下部

ちなみに、”RC-589M”は店頭販売をしていない。”AVセンター TX-SA702″の付属品であり、部品扱いの製品である。欲しければ、家電量販店を通してメーカーに注文する事になる。
“TX-SA702″はすでに製造中止なので、”RC-589M”も製造中止になる前にも、う1個取り寄せようかと検討しているくらい気に入っている。
ちょっと記憶が怪しいが、代金はたしか 4,500円程度であった。3,000円程度の凡百のリモコンからみれば、じゅうぶん納得である。ただ一つ残念な点は、照明器具のリモコン信号を記憶出来ない事である。

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