カメラ小僧の新兵器

自慢の所有物の中で、ひとつだけどうしても納得のいく写真が撮れないものがあるのが小さな悩みであった。
PLフィルター初体験
20年以上前に購入したお宝オーディオアンプの”McIntosh MA6450″である。
あのバブル期の終わり前頃(誰もそれが終わるとは想像もしなかった。異常な虚構の繁栄が永遠に続くものと、日本中の中産階級が頭から信じて疑わなかった時代・・・)、軽い気持ちで買ったのがこれ。
ホント、あの時買っておいて良かった。あのタイミングでなければ、新品購入する事はなかったはず・・・
購入価格30万円弱と記憶している。オーディオマニアでなかった自分としては、とてつもなく高価な買い物である。
少なくとも、自分の購入した幾多のオーディオ製品の中で最も高価な買い物であった。
あの当時はそれなりの高収入を謳歌していたので、上級機も余裕で買えたのではあるが、”こんなものに何百万円ものカネをかけるのはマトモじゃないぞ。狂うな!!”という、心の安全ブレーキが働いて自重したのである。
自重した理由は、”今は金回りが良いが、しょせん自分自身は一庶民に過ぎないのだぞ”という警告である。
当時なぜそのような健全な考え方が出来たのか、今でも良く分からないが、そのおかげで現在は豊かな満たされた生活を送ることが出来ている。”自分を褒めてやりたい”ってとこやな。ヽ(・∀・ )ノ
ところで。ここが大事だが、世の中すべて贅沢な時代の高級ブランド品メーカーのシリーズ品なので、この”MA6450″でさえも入門用の普及機なのであった。
何しろ、”マッキントッシュなのにプリメイン”である。( ´ー`)
今のクルマに例えると、”BMWの1シリーズ”はたまた”メルセデスのAシリーズ”ってとこか。
とにかく、同社の上級シリーズの価格とは完全にゼロ一桁分小さい、裾野を広げるための入門機なのであった。
入門機ではあるが、それでも30万円である。多少はふところが豊かだったとはいえ、庶民が手を出して良いものではない。憧れの対象ではあっても、しょせん身分不相応な趣味の世界。まともな神経なら、ローンを組んででも手に入れたいとまでは思わないはず。
・・・という理性をわきまえていたはずなのに、買ってしまった。少し弁解すると、日本中が異常な時代であった。
しかし、繰り返すが、あの時買っておいて良かった。自分にとって一生のお宝である。
それはさておき、写真の話に戻る。
日中は窓から射しこむ外光からの反射によって、どうしてもマッキントッシュデザインの最大の魅力である漆黒のガラスパネルを再現できない。カメラの設定をどんなに調整しても、はたまはレンズを代えてみてもだめ。
窓のない室内での蛍光灯下でしか、まともに撮れないのか・・・
そんなはずはない。きっとカンタンに解決可能なはず。原因は自分のキャリアの限界であると焦っていた。
PLフィルター初体験
一番の解決策はラックから引っ張りだして、外光の影響を受けない環境に設置してやれば良い。
いや、それはやりたくないので悩んでいるのだ。きっと何か方法があるはず。
PLフィルター初体験
夜間に部屋の照明を落としてやればOK ? いや、Noである。
全体が闇になってシルバーのトリムなども埋没して、イメージが台無しになってしまう。
何とか、撮影テクニックによって解決したいものだと、宿題にしていた。
PLフィルター
こんな時のための便利なアイテムがある事を最近になってようやく気が付いた。その名は”PLフィルター”。中上級者なら誰でも持っているであろうと思われる定番アイテムである。
にわかカメラ小僧としても、製品の存在自体は知って「そのうち買ってみよう」と漠然と考えてはいたが、あくまで空や水面をよりキレイに撮るためのものとしてであった。
ガラスの反射を抑える用途にも効果があるという能力は見過ごしていたのである。( ´ー`)
PLフィルター初体験
同じアングルから、フィルターを効かせて撮り直してみた。ちょっと効きが弱い印象はあるが、明るさ重視をキャッチフレーズにしている製品でもあり、今はこんなものと割り切っている。
PLフィルター初体験
同じ環境で撮り直したのがこれ。一枚目の写真とは比較ならないほど反射がなくなり、シックなイメージが再現出来ている。
PLフィルター初体験
漆黒のフロントパネル。う~ん、やっぱりマッキントッシュはこうでなくっちゃね!! ○=(゚∀゚ )

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