“PC-9801F2″は、日本のパソコン史に燦然と輝く名機である。
けっきょくはホビー機に過ぎなかった”X1″とは完全にレベルの違う本格的なビジネス機であった。
ところで。カタログの名称は”PC-9801F”となっている。末尾の数字によって搭載FDDの数が区別されていたのだが、”PC-9801F1″は 7万円も安いにもかかわらず、一般小売市場ではほとんど売れていなかったと記憶している。
せっかくのFDD(フロッピィディスクドライブ)も一台だけでは使い勝手が悪すぎる事が明白であったためと思われる。
“PC-9801F”は、当時のライバル機と比較しても、初代”PC-9801″との比較でも文字通り抜群の性能を有していた。
“高速CPU・5インチFDD・漢字ROMの内蔵。”640×400dotの高解像度表示”に、最高性能のワープロソフト”松”!!
その後から現在に至るまでのパソコン人生に決定的な影響を与えてくれたマシン。
本体だけで398,000円という価格にもかかわらず、けっきょくは後日自分でも自宅用に購入するほどに惚れ込んだ。
その評価ゆえ「ハードに関心はない」とうそぶきつつ、このカタログだけは長年大切に保管し続けているのである。
間接的にとはいえ、ようやく実用品たる”パーソナルコンピュータ”が手に入ったのは実に大きな喜びであった。
会社の規模からすれば大金を投じたとはいえ、格安で本格的な文書作成機が実現したのである。
何しろその頃は、親会社である某大企業でさえ”和文タイプライター”と専属タイピストを有していた時代である。
勤務していた”S無線”は、規模の小さな会社にもかかわらず、大量の文書を管理する必要のある業種でもあった。
当然、それまでは社内で作成する文書や社内で保管してある文書は例外なく手書き。
一部は親会社が提供してくれたタイプ文書のテンプレートも利用しながら、しかし基本は手書き。( ´ー`)
「ペーパーレス」という言葉がぼちぼちと独り歩きをし始めた時期でもあった。
ようやく最強のマシンとソフトが手に入り、それを実現すべく燃えていた・・・
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