珠玉のレコードプレイヤー その2

オークションの落札は一筋縄ではいかない事が少なからずある。この出品物は、7万円弱という納得価格の水準で推移していたのだが・・・
しかし良くある事だが、オークション終了間際のあと数分間というところでライバル入札者が現れ、価格がつり上がってしまった。
痛いことは痛いが、二度と現れないかもしれない、めったに出ないアイテムなのでやむを得ず眼をつぶってエイヤッと気合で落札。
けっきょく予定より 1万円ほど高くなったのだが、一品モノはこんなもんだと自分に言い聞かせている。
転売屋ではなく、ワンオーナー品との説明なので安心感があった事もある。日常的に使用しているのだから致命的な問題点はないはずと。
そんなわけで、おそらく本来の価値よりも割高な水準で落としたのだが、落札後 1週間経って現物が届いて驚いた。
全体的に汚れが想像よりもひどい状態の上に、アームの取り付け方がちょっとあり得ない状態だったのだ。(。゚ω゚)
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アームの基部がかなりターンテーブル寄りに取り付けられている。本来は楕円形の取り付け穴の中央になるはずなのだ。
なぜなら、この”PD131″は、この”SME3009/S2 imp”が推奨アームだから。こんな位置になるはずがない。
出品写真が不鮮明だった事もあり、間抜けな事に実物が来るまで気付かなった。(´д`)
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さいわい、出品にはアームの説明書をはじめとした付属品がひととおり完備されていたというより、それが大きなプラス点ではあったのだ。
この”オーバーハングゲージ”で確認すると、案の定かなり角度がズレている。
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カートリッジなしの出品だったので、愛用の”Dual 721″から取り外した”Shure V15 TypeⅣ”を取り付けた。
ところで、SME純正のこのヘッドシェルでは、カートリッジ固定用のビス穴が長穴ではない。つまり針先位置の前後調整がここでは出来ない事になる。今まで知らなかったのだが・・・(;`ー´)
それにしても、ターンテーブルシートの何と汚い事 !! ここに愛聴盤を載せるなど考えられんぞ。(´д`)
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そして、アーム取り付けベースの長穴はこのためにあるのだった。2本のネジをゆるめると前後にスライド出来る。
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アームの取付位置を適宜スライドさせてゲージに合わせると・・・
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ちゃんと中央に位置するようになった。ついでにアームの水平も微調整して最初のメンテは完了。
そもそも、ターンテーブル中心点とアーム回転軸中心点をアジャストするためのゲージ板がアームの付属品としてちゃんと用意されているのだが、前オーナーはこれを使わずにテキトーに取り付けたというのだろうか・・・
とにかく、こんな状態で本当にレコードがまともに再生出来ていたのか不思議なほどである。(*´~`*)
この他にもアームレストと一体のアームリフター支持パーツの固定がユルユル状態などなど、このクラスのプレイヤーを使用する愛好家のものとはとても思えない状態だった。当然のごとくというか、アームリフターの降下速度も制御されずストンと落ちるし・・・(´д`)
おっと。欠点をあげつらうのはこの辺までとしておこう。
この記事は前オーナーを批判するのが目的ではないし、一生ものとなる逸品を譲ってもらった事には感謝しなければならない。
さいわい、キズや破損箇所などもなく機能的には問題なさそうなのでクリーンアップの楽しみがあるとしておこうか。
以下、次号に続く。

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