“Dual /デュアル”に別れを告げた日

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レコードプレイヤーが音楽再生の主役であったのは一体いつの頃だったか・・・
1986年という年が、CDがLPレコードの販売枚数が逆転した年。ちょうど30年か・・・その後は一気にCDが音楽メディアの主役となった。
さらにその数年前、当時隆盛を極めていたオーディオブームの中で、国産の普及クラスのレコードプレイヤーを何機種か経由してドイツデュアル社のレコードプレイヤー”1229″を初めて愛機にしてからはもう他メーカーの機種には目もくれなくなった。
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「レコードプレイヤーはフルオートに限る。」と考えていたので、当時究極のフルオートプレイヤーとして名高かったドイツのデュアル社の中核商品だった”1229″。高評価の割に実に良心的な価格設定(※)だった事もあり、初の外国製オーディオ機器として手に入れる事になった。
※当時の定価が何と国産普及クラスと変わらない59,800円で、実売価格は5万円程度だった。・・・40年くらい前の事です。( ´ー`)
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自分の愛機になるまで知らなかったのだが、デュアル社のフルオートプレイヤーは、針先がレコード盤上に降りるまで音声出力がオフになっていて、音溝をトレースしてから音が出るようになっていた。演奏終了後も針先が上がる直前に音声出力が切れる。
センサーやコンピュータ制御など夢の夢の時代、すべて機械的な動作のみでこの高度な制御を実現していた。驚愕だった。
もちろん基本性能も優れていた上、信頼性も抜群で故障知らずだった。もう二度と他社のプレイヤーを使う気がしなくなった。
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デザインも国産製品とはまったく異質でメカニカルな魅力に満ち溢れていた。※今回の写真はすべて”721″。
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スタートレバーを押すと、トーンアームが上がりシャキシャキと小気味良い動作で盤面の端まで移動し、その後はカートリッジの針先がふんわりと優しく盤上に降りる。見るたびにうっとりするような素晴らしい動作なのだ。
扱いがこの上なく楽ちんな上、レコードの内容とは別に、プレイヤーの動きまで愉しめる稀有な製品だった。
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その後約40年経ち、つい先日まで所有していた”Dual 721″が最後のデュアル製品となった。
扱いが面倒くさい、フルマニュアル(?)機が新しい愛機となり、利便性の観点からは完全に逆行してしまったが仕方ない。(*´~`*)
同じ機能を持つ、かさ高い製品を複数所有する事は自分の感性が許さないのだ。涙をのんで売却処分してしまった。
おそらく、もうデュアル製品を所有する事はないだろう。メーカーなきあと、いかに堅牢性に優れていても、恐ろしく高度で複雑怪奇なメカ部分の経年劣化が危惧されるためである。故障したらおしまい、という不安感を持ちつつ使い続ける事をあきらめたのだ。
素晴らしい体験をありがとう。”1229″、”Golden 1″、”721″。( ゚∀゚)

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コメント

コメント一覧 (3件)

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    このターンテーブルにイボイボが付いたのがいつ頃だったのでしょうね、回転数の微調整をこのイボイボがはっきり見えるようになるようにダイアルを回すと調整できてたのだったかな?
    たぶん1970年代だったか、ターンテーブルを買ってもトーンアームが付いてない製品があったように思います、友達が自慢するので見せてもらったらDENONとか書いてあったように思います、その時スピーカーの穴前にローソクを置くと音で火が消えるなんてのを見せてもらいました。
    今思えば「だからどうなんだ!」こんな言葉なんて出てこなかったです(^^;
    純粋に「すごい」だけでした。

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    イボイボがあったのは、周波数サーボモーターですね。
    光を当てたところが止まって見えると正常回転。
    ダイレクトドライブとベルトドライブのどちらが良いとかいう論争がありました。
    その後、クオーツロックになってイボイボは不要になりました。
    かくいう、私のSL1700(テクニクス)にもイボイボありましたが。
    ちょい後の、SL1200がMK?になって今も存在するはずです。
    DJご用達だったと思います。
    DENON(当時デンオン)もデノンになって今も有るはず。
    まだ単体のレコードプレーヤー売ってますね。

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    もちろん"イボイボ"は飾りではなくて回転数微調整用のストロボスコープを代用するもので、本体のダイヤルで調整可能です。
    実は"CS721"にはふたつのバージョンが存在していて、"イボイボ"が 4段のものと 1段のものがあります。
    4段あるのは、"33,45rpm/60HZ"と"33,45rpm/50HZ"に対応するためでしょう。1段のタイプは、一見不規則にみえるマーキングのピッチで 4種類の機能をまとめているのだと思われます。実に巧みで合理的な設計ですね。
    自分が所有していたのは 4段の方ですが、それが前期型なのか後期型なのかは分かりません。いずれにしても、この方式は照明の環境に関係なく確実に回転数調整が出来る優れた設計です。
    これに比べたら、今の愛機である"PD131"の調整機構なんて形だけのお遊びでおもちゃレベルです。これだけはデュアルの圧勝。(;`ー´)

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