「ポップ・ギア」とビートルズの事

表題の「ポップ・ギア」というのは、およそ半世紀も前に体験した衝撃の映画のタイトル。
あまりにもマイナーな映画のようで、関連する記事はネットで検索してもあまり出て来ない。とにかくずっと頭の片隅で気になっていた。
「ポップ・ギア」とは、ビートルズのライブ映像が最初と最後にちょこっと出て来るだけの、実質的に”ブリティッシュポップス”の単なるプロモーション映画に過ぎなかったのだと知ったのは後世になってから。いや、ホンマに50年も経ってるのだ。( ゚д゚ )
とにかく、わずか計5分もないくらいのビートルズの出演場面があるというだけの理由で、忘れられない映画の一本となっていた。
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当時の少年にとって、二度目の「ビートルズ体験」だった。”衝撃”だった。あの四人の唄と演奏はあり得ないほどのカッコ良さだった。
何しろ、その頃は”歌謡曲”の全盛期で、いとこに感化されて愛唱歌は”学園広場”とか”修学旅行”とかばかりだった。
おっと、”いつでも夢を”や”見上げてごらん夜の星を”も”君といつまでも”も外せないな。(;`ー´)
ま、この辺のネタは「分かる人だけに分かる」で良いのだが・・・( ´ー`)
「ポップ・ギア」体験の少し前のある時、姉に連れられて「ビートルズがやって来る。ヤァ!ヤァ!ヤァ !」をしぶしぶ観に行った。
そして、開始 1分しないうちにノックアウトされた。まるで世界が違う。同じようなアイドル歌手などというのとは次元が違う。
それまでの歌謡曲アイドルは一瞬で化石のような古臭さの過去の遺物となって消滅し、一気に洋楽ファン誕生となった。
幼い頭にも、橋幸夫や舟木一夫が一瞬にして”民謡”や”浪曲”と同一視されるほどに過去のものとなってしまったのだ。
それまでも、洋楽としては”ナット・キングコール”や”エルヴィス・プレスリー”なんかに触れる機会はあったのだが、ビートルズの映画と音楽は異次元の体験で、それ以来、小遣いはビートルズ(とベンチャーズ他)のレコードに費やされる時期となった。
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この映像は、それほどの月日が経っても、あの日からずっときっちり脳裏に残っていたのだった。( ´ー`)
「ポップ・ギア」でのビートルズは、「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」以上の衝撃だった。最大の違いはこちらがカラー映像だったからかもしれない。
そして、演奏曲がたしか「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」に入らなかった“She Loves You”と“Twist and Shout”だったからかも。
とにかく、これほどのネット万能時代になっても「ポップ・ギア」の情報はないに等しいくらいなのが密かな悩みのタネだった。
そして、半年ほど前に行きつけの書店でふと目にした「エイト・デイズ・ア・ウィーク」のポスターが積年のモヤモヤを解消してくれた。
あの「ポップ・ギア」のふたつの映像がそのままリマスター映像となって再現されているらしい。( ゚∀゚)
そんなわけで、10月の終わり頃になって観に行って来た。時は既に遅しで近場の映画館ではなく、橿原市のシネコンまで出かけた。平日とはいえ、当日の観客は自分たった一人のようだったが、上映開始前にぼつぼつ増えて計5名だった。(;`ー´)
いくらお宝映像満載のビートルズ映画とはいえ、まともなプロモーションなしでは観客殺到とはならないのは仕方ないだろう。
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そして、たしかに記憶に残っていた以上のキレイな映像の上記ふたつの演奏はやはり”鳥肌モノ”だった。いずれも当時と同様フルバージョンでないのが残念なのだが、おそらく編集前のマスターが残っていないのだろう。
「ポップ・ギア」はビートルズの場面以外は、しょーもないプロモーションビデオの羅列であり、DVD化されなかったのも仕方ないだろう。ひょっとして多くの出演者の権利関係の障害があったのかもしれないが。
他に記憶に残っていたのは”アニマルズ”の”悲しき願い”と、ピーターとゴードンの”愛なき世界”くらいかな・・・
その他、なぜか異質な”マット・モンロー”も出演していた。たしか”Walk Away”とかいう佳曲だっだが完全に浮いていた。(;`ー´)
ちなみに、今でこそ出自が分かるこのお宝映像は”The Beatles Comes Town”というプロモーションビデオの一部らしい。
まさに、こちらの方が「ビートルズがやって来る !」というタイトルだったのだ。( ´ー`)
今回の画像はここからお借りしました。

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