2016年9月に愛機となった「珠玉のレコードプレーヤー」だったが、実は大きな問題点がいくつも残っていた。(*´・ω・)
アームリフターの機能回復に成功し、外観上はクリーニング等に励んだ甲斐があり、針交換も済ませて一応満足出来る状態にはなった。
それでも残る大きな問題点とは、「回転不安定・ストロボランプ不点灯・ターンテーブル腐食」の三点。
中でも、たまに発生するだけとはいえ「回転不安定」が致命的。”ターンテーブル”なのだから・・・( ≧Д≦)
資金に余裕が生まれたらメーカーにオーバーホールを依頼する事も考えてはいたが、なかなか踏み切れなかったのは「回転不安定は現物を実際にみてみないと判定出来ない」および「パーツがないためストロボライトの復旧は不可能」との回答だったのだ。
そんな中、上記の問題を一気に解決出来そうなヤフオク出品を発見し、迷わず落札した。
しかも、ラッキーな事に品番が”PD131″ではなくキット商品だった”PDK131″であり、圧倒的格安でゲット出来た。(´∀`)
そして。届いてからいそいそと梱包をあけると思わず「おぉっ !!」と声を上げそうになったくらい想像以上の美品で驚いた。
ターンテーブルをはじめトッププレートもシャーシもほとんど劣化がなく、極上品といっても良いくらいの状態である。
その差は一目瞭然。手前が新しいターンテーブルで右側のものが現用ターンテーブルである。
そう遠くない過去に汚いターンテーブルを磨き上げようとして挫折した苦い経験が蘇る。(´д`)
廻りだしてしまえばプレーヤーからは離れるので気にならない(性能には関係ないしと気にしないようにしていた)とはいえ、レコードを載せる度にどうしても目に入るので苦々しく感じていたのだった。これで気分良くレコードを載せられるようになった。( ´ー`)
とりあえず、”PDK131″をひっくり返して10数本のボルトを取り外し、トッププレートとシャーシを分離してみると、実にきれいな配線がされていて、再度の驚き。とてもシロートが組み立て配線したとは思えない出来なのだ。※もちろん自分もシロートですが (;`ー´)
ひょっとして、キット形式が予想外の不人気で、倉庫に積み上がった在庫品に不憫を感じたメーカーの技術者が組み上げてこっそり完成品として格安では売り切ったのでは、と邪推してみたくもなったくらい。それくらいのレベルの品質である。
まいったな~。急ぐ仕事でもないし、じゅうぶん時間をかけて慎重にパーツの載せ替えをすべく気合十分で望んでいたのだが。
中身をのぞいてみても主要部品はコネクタ接続となっており、ハンダ作業も不要のようで、難易度は特に高くなさそうである。
予想よりはるかに良い状態なので、そのまま使用するかすべてのパーツを取り外して”PD131″に移植するかで悩むこと小一時間・・・
“PD/PDK131″の内部。図示した三ヶ所が特に劣化しやすく、代替パーツも存在しないため所有者を悩ませている。
“PDK131″の方は、外見も機能もまったく問題ないし「コンデンサ類は全数交換済み」となっていたため安心感倍増でもある。
さて。”PD131″と”PDK131″は、部材も各種パーツも完全に同一でありキット製品として販売されていたか否かだけの違い。
そして、愛機の最大の悩みのタネであった「不定期にターンテーブルの回転が不安定になる」のは、これまでのネットリサーチの結果、モーターそのものではなく、各種の制御回路がその原因だろうと勝手に断定していたのだが、しかしモーターが原因の可能性もやはりゼロではない。
熟考の結果、”PDK131″のシャーシとパーツをそのまま流用し、”PD131″のトッププレートとトーンアームのみを移設する事に決定。
自力で完全移設する自信がない事もないのだが、せっかく正常動作している個体である。万が一にも失敗があってはならないのだ。
・・・などとカッコつけているが、現物を前にやはり気後れしてしまっただけなのでした。何しろ一生もののお宝ですからね。(;`ー´)
そうなると、難物となるがこの芸術品のようなトーンアームと、それを固定しているアームベース(円形の方)。アームペースがアンダーシャーシと一体化しているため、トーンアームをいったん取り外さないとトッププレートの載せ替えが出来ないのである。
この製品は、手軽にアーム交換が可能なようにアームベースは小さなピンを押してベースを少し回転させるだけで取り外す事が出来る・・・はずなのだが、予想はしていたものの例によって経年劣化のためか固着していてびくともしない。( ;´・ω・`)
何しろ、腫れ物に触るように大切に扱ってきた名機のトーンアーム様である。心のなかで冷や汗をかきつつ慎重に慎重にアームベースから取り外した後、作業用手袋を右手に装着し、エイヤッとアームベースを回転させ・・・三回目でようやく廻す事が出来た。(´д`)
固着状態さえ脱すれば後はどうって事はない。最後に小さなボタンを押してやるとウソのようにカンタンに外れてくれた。( ´ー`)
“SME3009/S2 imp”の舞台裏。写真では良く目にしていたが自分で体験するのは初めてである。右手にみえる黒いコードはアース用なのだが、これを接続する部分がどうしても分からず、これだけで30分は浪費する事になってしまった。
もちろん、分かってみればカンタンなのだが、それにしても機能美の極致のような姿のトーンアームだというのに、その裏側は実にいい加減な造りである事にあらためて感心した。(;`ー´)
ヤワな構造に苦しめられつつようやくカバーを装着したと思ったら、逆向きだった・・・( ≧Д≦)
間違い記念にもう一枚。このコネクタ部分がアームウエイト側にならねばならないのだ。
その他、細々とした苦労はあったが、無事にシャーシの載せ替えが完了。音出しテストも問題なし。
もうこの作業をする事はおそらくないとは思う中で最大の収穫は、お宝トーンアームを平気でいじれるようになった事。(´∀`)
今度こそ完成品となった”PD131+SME3009/S2 improved”。
美しいターンテーブルにうっとり・・・でもないが、腐食が目に入るというストレスは完全に解消した。
“PD131/PD121″の持病である、ストロボライトの不点灯。今回はLEDに交換されているのでもう心配無用のはず。
これまで見えなかった腹いせもあり、つまらんギミックと思っていたが、やはりちゃんと機能するととても気分が良いものではある。
ここまで来れば最後の課題はトーンアームの分解メンテナンスだけとなったが、それはずっと後の楽しみにとっておくつもり。
珍しく冬季オリンピック観戦にはまっていた事もあり、更新のモチベーションが沸かなかったが、またぼちぼち書いて行きます。
長続きする日記の秘訣は「ムリしない事」ですからね。( ´ー`)
コメント
コメント一覧 (3件)
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"PD131"はすぐに処分したので手元にありません。
「回転の不安定」については、特に45RPMで頻発していて、徐々に回転数が遅くなる、または最初から規定の回転数に達しない状態です。その後33RPMでも発生するようになったので交換を決意したのです。
記事ではエラそうな事を書いてますが、提案されたような電子部品をメンテする技術力は自分にはありませんので、コンデンサ交換もしませんでした。
指摘されたオイルの件はたしかに心配ではあります。
あと10年間は使用したいので。
ところで、記事にはしてませんが万全になったはずの現用機でもまた同じ症状が時々起こるようになってしまっています。
マイスターにお願いしたらメンテを引き受けてもらえますか ?
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時々「最初から規定の回転数に達しなかった」症状は既に処分した"PD131"です。
現用の"PC131K"は、それとは異なり電源投入直後は常に安定しているものの、演奏から10数分前後経過してから発生します。LP片面持たない時間です。
いずれも、幼児でも分かるほどの回転数不足で明らかに速度調整の範囲外でありまったく音楽になりません。その時の回転数は分かりませんが。
ただ、それも数日間以上使用間隔が空いた場合であり、日常的に使用していたら発生しません。実際、入手後から最近までは安定動作していました。
その上、回転数減少が毎回必ず発生するわけでもないので困ってます。
そして、不具合発生した場合であっても速度切り替えスイッチを数度操作するか電源オンオフを数回繰り返せば、その後はストロボマークも聴感上も安定動作します。
マイスターなら原因はすぐにピンと来るのでしょうね。
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前回書いたように、「打診しただけで商談になるという認識はない」のという事を理解してもらえないようなので、この件はこれで打ち切りとします。
つたない記事への数々のアドバイスには感謝しています。お手数かけてすみませんでした。