Canon TS8330レビュー
使い始めがいったいいつ以来なのか思い出せないくらい長期間愛用したCANON のプリンタ複合機”MG6230″。
性能や使い勝手に特に不満はないし、この間不具合もなく使えていたので、買い替えなどまったく考えなかったのだが、ついに夏頃からブラックのみ印字が二重になるという致命的不良が発生して、どんな対処をしても治らなかった。
とはいえメーカーに依頼したって新品の同等品に匹敵するような修理代になるのは分かりきっているので処分する事にした。
調べたらどうやら実に7年くらい経っていたし、でかくて無骨な黒いハコに飽きが来ていた事もあり、思い切ってリニューアルした。
体感的にはふたまわりくらいコンパクトになった”TS8330″。自分としては初のホワイトボディ。クリーンでいい感じです。
本機は昨年の最新型である。品番のみが変わる恒例のモデルチェンジ直後に値下がりが大きくなったのをみて決めた。
ほぼA4用紙程度のボティサイズなので、用紙カセットが出っ張るのは必然。構造的に当たり前の事なので別に気にならない。
前に出っ張るか後ろに出っ張るかの違いだが、奥行きが小さくなる分コンパクトさが際立つというデザイン意図だろう。OKである。
長年キャノン製品愛用が続いている理由のひとつが、複数枚セットできる後部シートフィーダー。
※水平搬送構造の宿命で、A4用紙を印刷すると大きく前方にスペースが必要となるのは仕方ないのだろう
さてと。使い心地は概ね満足している。パソコンから印刷を開始すると自動で電源オンとなり操作パネルの角度が斜めに変化する。
この動作を初めてみた時は感嘆した。しかし、この機種シリーズ最大の弱点が印刷時に自動的にせり出してくるこの無骨なトレイ。
スタイリッシュなデザインが台なしなのだが、考えてみればコンパクトサイズの代償なのと見て見ぬ振りとしよう。( ´ー`)
トレイは印刷後に手で戻してもかまわないのだが、ヘビーユースでなければ印刷後には電源オフにしたくなるもの。
設計者の方もそこを見越して、一応使い勝手が良いように考えられている。
電源ボタンを押すと、こんな確認画面が表示されるので、タッチパネルの”はい”を押せば自動的に収納してくれる。ちょっとうるさいが、この一連の動作はみていてなかなか気分が良い。一見わずらわしいこんな手順があるのは、トレイに紙が残っていないかどうかの確認をユーザーの自己責任とするためだろうと容易に想像がつくな。( ´ー`) ※あらかじめ手で戻していればこの画面は出ない
用紙検知センサーでもあれば完全自動に出来るのだろうが、まぁコストとの兼ね合いなのだろう。実売 1万円台の製品だし・・・
やはり慣れても煩わしい事に変わりはない。完全自動に改善されるなら自分としては5000円くらい高くなってもかまわないのだが。
ようやくディスクトレイ内蔵に
プリンタに関しては長年のキャノン愛好者なのだが、ライバルのエプソン製品で唯一羨ましかったのが、ディスクトレイ内蔵。
数年前からようやくキャノン製品でも実装するようになったようだが、最新のシリーズでは特定のモデルのみの装備になっている。
まぁ、今どき DVDやBlueRay ディスクにダイレクト印刷したいニーズは激減しているだろうから、仕方ない。
「まだそんな時代遅れの事をちまちまやってるのか ?」と嘲笑されてもかまわないのだ。まだまだやるぞ。(;`ー´)
品質や機能面では 1ランク下のモデルでも良かったのだが、とにかくこれが”TS8330″に決めた最大の理由。
さすが、最新の高性能プリンタ。普通紙に印字しても、一見レーザープリンターと見分けがつかない品質である。
乾きだって速いし、顔料インクの特性でクッキリはっきりとした文字は非常に見やすい。文句なしの高品質。
前機種だって、これくらいの印字品質だったかもしれないが今となっては確認しようがない。たぶんあまり変わらない気はする・・・
とまぁ、いいことづくめではあるものの、実は 7年前の製品と比べて基本性能は 1ミリくらいしか進歩していないと感じている。
TS8330 イマイチな点
- ファーストプリントが遅い
- 公称値をはるかに下回る印刷速度
- 特に両面印刷が、反転時間を最小設定にしても激オソ
- 印刷終了後の処理が長い
- インクコストがバカみたいに高い
特に最後の項目がインクジェットプリンタの最大の問題点。メーカーだってそんな事は分かっていて試行錯誤はあるようだが、本体価格が上がると売れないのか、どうもこの傾向はなくならない模様。一般家庭での年末以外の印刷頻度なんてたかが知れているしね。そもそも「プリンタなんてホントに要るのか ?」ってくらいだろう。
インクセット3パックも買えば本体価格を上回るという単純思考をされてしまうので仕方ないよな。他人の事はいえんが。😌
【蛇足】
CANON を「キヤノン」と呼ばせるのはメーカーの勝手な都合であると断定し、承知の上で「キャノン」と書いている。
メーカーびいきでない限り”キヤノン”なんて発音する人はほとんどいないでしょ。もちろん自分もそう。( ´ー`)
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