経緯はほとんど記憶にないのだが、「一歩先を行く DBPro V.2 for Windows 100%活用法」完成とほとんど間を置かずして同じ著者チームで「これからはじめるデータベース for Windows」にとりかかる事になった。
ただし、さすがに出版社は同じではなく今回は「ビレッジセンター」。
「技術評論社」とは異なり、「VZ EDITOR」等で有名な、ソフトウエア販売元でもあった会社である。
装丁もずっと洗練されて、フツーのソフトウエア解説書らしくなった。ただし、中身は相変わらず”DBPro V.2″。
しかも、製品版がそのまま付録に付いてくるというとんでもない(フツーなら超お買い得な)書籍だった。
何しろ、少し前まで2~3万円で売られていた製品版が付いていて、その価格はたったの 3,500円なのである。
表紙上部の”挑戦状”というキャッチコピーが、ソフトヴィジョン社の当時の状態を物語っている。
この単行本が発売された時期はすでに『DBPro V.3』の誕生直前。『DBPro V.2』を叩き売りに近い価格に下げてもまったく売れず、ついに創業時からのパトロンであった「新日鐵」と袂を分かち、『DBPro V.3』を社運を賭けた製品として世に問う事になっていた。その販促活動の一環であったわけである。
※この段落の大部分は勝手な妄想につき、つっこみはご容赦下さい (;`ー´)
マイクロソフトのような巨大な会社は別だが、ソフトウエア製品メーカーと出版社は基本的に対等な関係である。
どちらの立場が上という事はないし提携する事もほぼないのだが・・・
表紙にはわざわざ”株式会社ソフトヴィジョン提供 / 株式会社ビレッジセンター発売”と明記されている事が、両社の関係の良好さを示している。何しろ同社は”show”氏がHPのネタに使っていた”みかん星人”の生みの親でもあるのだ。
この辺は面白いエピソードなので、知らない人は google 神にでも問うてみて下さい。( ´ー`)
当時は、解説書の有無が製品の売れ行きに大きな影響を及ぼすと考えられていたし、ある程度真実でもあった。
現代のようにインターネット上で使いこなしのための情報が容易に得られる状況にはなく、パソコン通信にも縁のない大多数の人々にとって、ソフトウエアの解説書の存在は、ある意味製品そのものよりも重要だったのである。
この辺を云い出すと「卵が先か鶏が先か」的な議論にもなるのだが、特にデータベース製品については、素人がカタログやデモ画面を見たくらいではまったく判断のしようがないので、実際にどんな事が出来るのかそれがどんな手順で実現するのかをある程度事前に知る事が出来る解説書の存在は、極めて重要な役割を果たしていた。
『DBPro V.3』は、完成度の高い良い製品だった。『V.2』の数々の問題点を克服し、”使える”製品に成長していた。
その品質は、自社の基幹システムの刷新に際し、選択肢に加えようかと一時は真剣に検討したほどであった。
それほど優れた『DBPro V.3』に取り組んでいた事もあり、不完全な製品であった『V.2』の記事を書くことは以前にも増して辛く、画面を見るだけでもイヤだった。降りようと何度か悩んだほどだった。
しかし、降りて良いはずがない。せっかく掴みかけたチャンスなのだし、誘ってくれた諸先輩に背く事にもなる。
そこで考えた。『V.2』も『V.3』も、紙面に載る画面は変わらない。ならば、『V.3』の新機能さえ使わなければ、そのまま『V.2』の記事としても構わないわけである。
というわけで一気に気が楽になり、大過なく仕事を終える事が出来た。
そして、この本もまったく売れなかった。
「何でそれが分かるのか ?」って、答えはカンタン。「増刷」されなかったから。( ´ー`)
とにかく、半ば修行のような二冊目の共著が終わった感想は「もうイヤや。今度こそ”桐”とも”DBPro”とも関わりたくない。」だったのだが・・・
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