“13.7秒”。今まで一度も測定した事がなかったが、誤差も勘案して15秒程度というところか。
絶妙である。10秒では短すぎ、20秒では長すぎる。
15秒なら、スタート操作から余裕を持って着席出来る。
すみませんね。時折り、もったいぶった言い回しをしたくなる、困った性格です。( ´ー`)
測定したのは、右から2番目のスタートレバーを軽く左に操作してから、トーンアームがシャキッと持ち上がってスムーズに盤面端へ移動し、ピックアップカーリッジの針が盤面に降りて音声出力が解除されるまでの時間でした。
メリハリのある動作の後で、針先が羽のようにふんわりと盤面に降りて演奏が始まる。
この一連の動作を見るのが楽しみでレコードをかけているようなもんです。とは言い過ぎだが。(;`ー´)
ヤフオクで”Dual 721″を手に入れてから、初めてのメンテナンスとなった。
今年の年末年始は曜日のめぐり合わせが良く、9連休をゲット出来たのだが、早くも今日が最終日かぁ・・・
特別な予定のない長い休日は、死蔵しているLPレコードをじっくりと楽しめるチャンスだった。しかし。
1ヶ月前にウォーミングアップのつもりで動かしてみたら、何と!!
再生音が何かヘンと思ったら、右側のスピーカから音が出ていない!! ガァ~~~ン!!(ノ゚Д゚)
ついにこの時が来たか・・・
何しろ製造されてから30年以上も経過した古い機器である。何時どこが不調になっても不思議ではない。
入手してからもメンテナンスらしき事は何もしていないのに、これまでは問題なく安定してシゴトしてくれていた。
使用する度に、「今日もちゃんと動いてくれるだろうか」という不安が緊張感を生み、心地良い音楽鑑賞の時となる、などという事があるはずはないが、古い銘機を愛でるにはこの種の覚悟を持つ事は避けられない。
足りない脳みそを駆使してアナログレコードプレーヤーから片方の出力が不能になった場合、考えられるのは次の要素
1.ピックアップカートリッジの針先や部品の劣化
2.カーリッジの配線劣化
3.取付シェルとトーンアームの接合部
4.プレーヤーの出力ケーブルやプラグの劣化
5.ヘッドアンプの不良
6.プリメインアンプの不良
7.プレーヤーの音声出力制御部分の故障
真っ先に疑ったのは 7.である。レコードをかける度に、かなりデリケートなリレー(?)が二回ずつ動作している。30数年間で動作した回数は数千回から数万回にも達するかもしれない。これしかない、と頭から決めつけていた。
5.と6.は正常である事が確認出来た。同一カートリッジを付けっぱなしだったので、1.から4.までの可能性は低い。
7.だとすると、自分の手には負えない。信頼できそうな修理業者がない事はないが、完全に治って戻ってくる保証はなく、直ったとしても数万円の費用は必要となる。ウジウジと迷っているうちに休暇に突入し、機会を逸してしまった。
9連休も最後に近づいていて、ヒマな時間はたっぷりあるし、最低限のやるだけの事はやってみるかと重い腰を上げ、カートリッジを交換してみた。以前に所有していたプレーヤーを処分する時に、予備として保管してあったものである。
カートリッジ交換なんて、いったい何十年ぶりかと少しばかり感慨深くなったが、相手がデリケートな部品で構成されている事さえ忘れなければ、簡単な作業である。ていねいにやっても 1~2分あれば出来る。
交換した”SHURE 75B”をセットし、おそるおそるレコードに針を降ろしてみると・・・
しかし。よっしゃこれで一件落着。とはいかない。”M75B”ではなく、元の”SHURE V15TypeⅣ”でなければ気分悪い。
ちゃんとふたつを聴き比べたわけでもないし、そうしたところで明確な音質違いを認識出来るような繊細な聴覚も持ち合わせていないので、あくまでも”気分”に過ぎない。
趣味嗜好の世界なので”気分”を侮ってはならない。ダメ元でもう一度交換してみる事にした。ヘッドシェルが 1個しかないので、いちいちカーリッジを交換しなければならないのだが、さすがに二度目になるとサクッと作業完了。
そして、おそるおそる音出ししてみると・・・
・・・て、何やどうゆうこっちゃ!! コネクタを抜き差ししたら直ったというだけに過ぎない事になる。(・д・。)
という怒りを抑えて心を安らかにするために、あらためて45年前のレコードをかけてみよう。”エリック・サティ”の名を初めて知った名盤中の名盤。シャープでスリリングな演奏の”Spinning Wheel”が特にお気に入り。
35年前のレコードプレーヤーから15年前のアンプを通し、20年前のスピーカから出て来るサウンドに何も不満はない。
最新最高の機器から比べられると次元が違うというレベルかもしれないが、そんなもんに関心がないので知りたいとも思わない。これで満足です。さて、次は何が起こるかな~。( ´ー`)
※ラックの左にあるのは、シアター用のスーパーウーファーであり、レコード再生時には音は出ない
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