先日、「タイムズ・カーシェアリング」のカンタンな紹介をしたが、まったく別の形態でのシェアリングシステムを体験してみた。
システム名は「エニカ」。変な名称だが、覚えやすい事は覚えやすい。
「タイムズ・カーシェアリング」は、運営会社が用意するインフラをベースとする、レンタカーシステムの発展型といえるが、「エニカ」は、一般の自動車ユーザーによるマイカーの「会員制共有システム」である。
貸し出す側も借りる側も会員登録が必要となっていて、運営会社がその仲介をする事によって双方の安心を担保し、取引が発生して完了した後に貸出者から10%の手数料を徴収するという仕組み。これは別の意味で画期的なシステムである。
従来のレンタカーや「タイムズ・カーシェアリング」と決定的に異なるのは、軽自動車からスーパーカー並みの高級外車に至るまでクルマの選択の自由度が飛躍的に高まる点。HPのトップページではその特徴を全面に押し出している。
すなわち、「必要が生じた時にクルマを借りる」という基本ニーズ以外に「乗ってみたいクルマに乗れる」上、他システム同様、使用中は完全にクルマを専有出来るため半日なり一日の間、マイカー気分を味わえるのである。
そして、貸し出す側は料金を任意に決める事が出来るが、運営会社がある程度制約を課しているので、でたらめな値付けは出来ないようになっている。その運営会社とは、何と”DeNA(ディー・エヌ・エー)”。ゲームアプリで有名な会社なのだが、”横浜ベイスターズ”というプロ野球球団のオーナーでもある。最近は無人バス交通システムの運営を手掛けるなど急速に多角化を進めている。
この「エニカ」もその一環というわけである。会員に対する各種の手厚いサポートがあるメリットの裏返しとして、非常に大きな先行投資を強いられるわけで、現状はまったく利益が出ていないというより大きな赤字状態のはずである。
将来的に大きな潜在的需要が見込めるシステムであるが、少なくとも会員数が数十万人という規模にならなければ採算がとれないだろう。
そんなわけで、好奇心とちょっぴり応援してみたい気持ちもあり、会員登録してみた。
予想通り、地元近辺ではこんな登録状況となっている。我が平群町では堂々のオンリーワン。( ´ー`)
愛車の貸出料は 8,000円とした。カタログに表示されている 6,400円とは12時間位内の料金である。
クルマ登録時には「推定見積 24,000円/月」と表示されたりしたのだが、もちろんそんなの当てにはしてない。大都市なら別だが。
年に数回程度引き合いがあるかな、くらいに構えていたのだが、何と登録後 1周間もしないうちに申し込みが来て面食らった。( ゚д゚ )
「ひょっとしてサクラか ?」と一瞬身構えたが、今や大企業の”DeNA”がそんな姑息なテは使わないはずと、貸出に応ずる事にした。
結論からいうと、少しスムーズにいかない部分もあったが問題なく取引が成立して終了した。
丸一日間の貸し出しで、8,000✕90%=7,200円の料金収入となった。もちろん個人間の現金授受などはなく、運営会社から月末にまとめて支払われるようになっている。事故対策等もほぼ万全で、デメリットは、走行距離が延びる事くらいしか思いつかない。
ほとんど走行する機会がなくなった愛車を車庫に眠らせておくよりは、他者に気分良く使ってもらって感謝され、収入も得られるという理想的なシステムと評価している。覚悟を決めて先行者利益を得るため果敢に挑戦している”DeNA”に拍手を送ろう。
数年後には軌道に乗っている事を祈る。その後他からの引き合いはないが、忘れた頃にあるかもね。( ´ー`)
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